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X線回析によるタンパク質結晶の直接構造決定法

研究課題

研究課題/領域番号 06680655
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 生物物理学
研究機関九州大学

研究代表者

塩野 正明  九州大学, 理学部, 助手 (80235499)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード直接法 / タンパク質 / 結晶 / 構造解析
研究概要

1.LDE法によりリボヌクレアーゼAp1の直接構造決定を試みた。分解能8Aの反射にランダムな位相を与え、実測データの上限である分解能1.17A(23853反射)まで位相を拡張及び精密化を行ったところ、平均位相誤差81.7°、規格化構造因子と修正後の電子密度から得られた構造因子の大きさにより重みを付けた平均位相誤差76.5°が得られた。この位相により計算された電子密度から主なピークを拾ってみると、大きなものから順に、1、4、5、8番目のピークがS原子のものであることが判明した。ちなみにリボヌクレアーゼAp1の分子は5つのS原子を含む。
2.リボヌクレアーゼAp1の空間群はP2_1であり、b軸に垂直にハーカーセクションが現れる。ハーカーセクションが現れるピークがすべて自己ベクトルに起因するものと仮定し、電子密度にフィルターをかけてみた。これを用い、全反射にランダムな位相を与えて初期値とし、位相精密化を行ったところ、20回の試行のうち18回、1.で得られた位相と同等のものが得られた。
3.リボヌクレアーゼAp1の5つのS原子の位置より計算した位相を初期値として精密化を行ったところ正しい構造が得られた。LDE法は部分構造から全体構造を導出する能力に優れており、1.と2.で得られた電子密度から正しい構造が得られる可能性は十分にある。これについては現在計算中である。
4.LDE法とヒストグラムマッチング法の比較検討を行った。ヒストグラムマッチング法は低分解能から高分解能のデータまで適用出来、ある程度は位相精密化可能である。LDE法は、低分解能領域においてはヒストグラムマッチング法に劣るものの、高分解能領域では位相拡張及び精密化の能力は非常に優れていることが判明した。
5.LDE法を、実測データが手元にある2‐Zn‐pig‐insulinとリボヌクレアーゼSaに適用した結果、どちらの構造でも平均位相誤差70°からはじめて、重み付き位相誤差55°程度まで精密化することに成功した。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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