研究課題/領域番号 |
06680662
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
|
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
老木 成稔 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (10185176)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 蛋白膜透過活性 / 単一チャネル / 電流電圧特性 / イオン選択性 / ゲーティング |
研究概要 |
粗面小胞体はツメガエル卵母細胞とイヌ膵臓からのものを用いた。これらの標品の蛋白膜透過活性をあらかじめ次のような方法でチェックした。分泌蛋白であるβ-ラクタマーゼのmRNAをin vitro translationし、膜分画のシグナルペプチダーゼ活性の有無からその活性を確認した。この標品を浸透圧勾配のかかった脂質平面膜の一方に加え、膜分画を脂質平面膜に膜融合させることによってtransloconを脂質平面膜に再構成した。ピューロマイシンの添加により、リボソームとの結合を切断された翻訳中の新生蛋白はtransloconから遊離する。開存した透過路を流れるイオン流を単一チャネルレベルで記録することに成功した。低イオン強度下ではこのチャネルは持続的に活性を示した。tranaloconに結合したリボソームが解離する条件である生理的イオン強度にするとチャネルは閉じた。電流電圧特性はほぼ線形であった。単一チャネルコンダクタンスからみた透過イオンの選択性は弱い一価カチオン選択性であった。trisイオンが透過することからポアのサイズは数オングストローム以上あることが示唆された。このチャネルはミリ秒オーダーでチャネルの開閉(ゲーティング)を示すことが初めて明らかになった。開確率には電位依存性があった。膜電位0mV付近で開確率が最も高く、正電位、負電位両側で非対称に開確率が減少する特異な電位依存性を示した。また速いフリッカリングのような現象が間欠的に観察された。このフリッカリングがモードスイッチの一種なのか、あるいは透過イオンなどとの相互作用なのか今後検討していきたい。
|