研究課題/領域番号 |
06680665
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
上口 智治 名古屋大学, 農学部, 助手 (20232738)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | DNA結合タンパク質 / ストレス応答 / 核様体タンパク質 / H-NS / 分子シャペロン / 転写制御 / シグマ因子 / DnaJ |
研究概要 |
I. 湾曲DNA結合タンパク質H-NSの機能解析 1)H-NSによって負の転写制御を受けるproUオペロンの脱抑制を指標にして、hns遺伝子に起きた20種類のミスセンス変異と5種類のナンセンス変異を分離した。hns変異の示す多面的な表現型をもとにして、これらの変異が4つのクラスに分類できることを明らかにした。ミスセンス変異はhns遺伝子上で大きく3つの領域(N末端領域、C末端側2つの領域)にかたまって分離され、それぞれ表現系の示すクラスと相関が認められる。生化学的解析から、H-NSのDNAとの結合にはC末端側が関与していることが示唆された。共同研究(東京薬科大学;神藤助教授、)によって明らかにされたH-NSのC末端側の高次構造と照らしあわせることで、H-NSのDNAとの結合にはC末端側のループ構造が重要な役割を果すことが示唆された。 2)栄養飢餓ストレス応答の正の調節因子であるo^Sの発現をH-NSが負に制御するという新しい現象を明らかにした。これは転写段階ではなく、翻訳と翻訳産物の安定性制御の各段階をH-NSが負に制御することで行われている。 II DnaJアナログであるCbpAの機能解析 1)cbpA欠失変異株を構築し、その表現型を調べた。cbpAの単独欠失変異は野生株とほとんど変らない生育を見せるが、cbpA/dnaJ二重変異株は生育温度領域が著しく狭い、セプタム形成の異常に伴う細胞の伸長、炭素源枯渇に伴う生存率の低下等の表現型が観察された。従ってCbpAはDnaJと同様の生理的機能を保持していると考えられる。 2)CbpAの発現がo^S依存的に栄養飢餓ストレスに応答することを見いだした。このことから大腸菌は2種類のDnaJ様シャペロンをストレスの種類に応じて使い分けているのではないかと推測した。
|