研究課題/領域番号 |
06680675
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
岡垣 壮 群馬大学, 医学部・薬理学講座, 助手 (80185412)
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研究分担者 |
小濱 一弘 群馬大学, 医学部, 教授 (30101116)
石川 良樹 群馬大学, 医学部, 助手 (20212863)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | カルシウム結合蛋白質 / 細胞周期 / 細胞核 / 分子生物学 |
研究概要 |
(1)粘菌のラムダgtllcDNAライブラリーを作成し、CIFのクローンをスクリーニングし、cDNAの一次構造を決定した。このcDNAをプローブにしてCIFの他のアイソフォームのクローンを単離する努力をしたが、CIF以外のものは得られなかった。従って電気泳動上の各バンドは翻訳後修飾でつくられていると考えられる。またこのcDNAをPETベクターにサブクローニングし大腸菌で発現蛋白質を得ることに成功した。さらにこれをウサギに免疫することにより特異性の高い抗体を得ることができた。この発現蛋白質は粘菌から精製したCIFと同様に、カルシウム依存的に構造変化をおこし、さらにカルシウム依存的に集合体を形成することがわかった。この集合体の構造を光学顕微鏡、電子顕微鏡で観察するとCIFはシート状に重合することがわかった。 (2)ショ糖を重層する遠心法で粘菌の核を単離することに成功し、この核分画より、CIF抗体と反応する分子量36kDaの蛋白質を精製した。この蛋白質は、カルシウムによる構造変化がCIFより大きいこと、またカルシウムで集合するときの集合体の形状が異なることから別種の蛋白質の可能性が考えられた。しかし部分アミノ酸配列の決定により、これはCIFのN端の32残基のアミノ酸が特異的なプロテアーゼによって消化されたものであることがわかった。この短いCIFのもつ生理的意義については現在検討中である。 (3)CIFによって調節を受ける粘菌ミオシン軽鎖キナーゼのcDNAをライブラリーよりスクリーニングした結果、長さの異なる2種類のcDNAが得られた。現在その塩基配列を決定している。さらにこのcDNAを大腸菌で発現し上記の発現CIFと組み合わせて生化学的実験をおこなう予定である。 (4)細胞内でのCIF局在を知るために、上記の抗CIF抗体をもちいて、各種の細胞におけるCIFの分布を検討した。粘菌変形体では細胞質の他に、核とミトコンドリアに分布していた。またニワトリ白血球、培養動物細胞のCHO細胞、10T1/2細胞の核に分布していた。これら培養細胞にCIFのcDNAをトランスフェクション法で導入したが、発現した蛋白質は細胞質にとどまり、細胞核には移行しなかった。従って核に移行するためには他の蛋白質の助けが必要であることが予想される。また細胞周期の各段階においてCIFの局在は変化し、分裂期以外では核小体に分布し、分裂期には核全体に分散していることがわかった。
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