研究課題/領域番号 |
06680717
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
若松 佑子 名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 助教授 (20026800)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | メダカ / 胚幹細胞 / 多能性 / キメラ形成 / 遺伝子ターゲティング / アルカリフォスファターゼ / 遺伝子ターゲッティング |
研究概要 |
メダカは脊椎動物の原形として発生生物学の優れた実験動物となっている。このメダカで遺伝子ターゲティングの技術を確立するために、胚幹細胞株の樹立と、これを用いたキメラの作製を試みた。野生型体色の純系メダカHNI-Iの胞胚期胚の細胞を、ダルベッコ変法イ-グル培地にLIF、bFGF、コイ血清、牛胎児血清などを添加した培養液で培養した。その結果、細胞の直径が7μm程度の小型で丸い形態を持ち、コロニーを形成しながら活発に増殖する細胞株OLES1およびOLES2の樹立に成功した。これらの細胞は強いアルカリフォスファターゼ活性を持ち、レチノイン酸処理で、黒色素細胞、ドーパ陽性細胞、トロポニンT陽性細胞、神経様細胞などに分化した。また、85%の細胞が正常な二倍体であることもわかった。LIFおよびbFGFの濃度と細胞の増殖の関係を調べたところ、LIFは0〜10^4U/m1の範囲で、細胞の増殖に明らかな影響を与えなかったが、bFGFは0〜20ng/m1の範囲で濃度依存的に細胞の増殖を促進した。20ng/m1の濃度での集団倍加時間は24時間であった。濃度0の場合には細胞の増殖は大幅に遅れ、大型で扁平な形態に変化した。このことからbFGFはメダカES細胞が活発な増殖を維持し、未分化状態を保つために必要であることがわかった。これらの細胞を胚に注入し、キメラの作製を試みているが、これまでのところ、細胞を移植した個体での黒色素胞の分化や生殖系列キメラの作製にはいたっていない。細胞を蛍光標識して胚に注入し、細胞の胚の中での動向を追跡したところ、細胞が胚の様々な組織に取り込まれていることがわかった。また。注入実験を氷温で行うことによって、注入細胞が胚の中に広く分散することがわかった。この方法を用いることによって、キメラ作製の効率が上がることが期待できる。
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