研究課題/領域番号 |
06680719
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
赤坂 甲治 広島大学, 理学部, 助教授 (60150968)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ウニ胚 / アリールスルファターゼ / 細胞外基質 |
研究概要 |
バフンウニのアリールスルファターゼcDNAを用いて、大腸菌の系でタンパク質合成し、これを抗原としてウサギを免疫して、抗アリールスルファターゼ抗体を作成した。さらに、この抗体を用いてバフンウニ胚内のアリールスルファターゼの局材性を免疫組織化学により光学顕微鏡及び電子顕微鏡レベルで調べた。その結果、アリールスルファターゼは反口側外胚葉細胞のリソゾーム様構造の他、大部分はハイアリン層に局材していた。 一方生化学的な研究からアリールスルファターゼはカルシュウムイオン存在下でハイアリン層のプロテオグリカンと結合しており、別の因子及びカルシュウムイオン存在下ではアリールスルファターゼの活性を失うことを見いだした。この事実は、リソゾーム様構造内では酵素活性を示し、ハイアリン層では活性を持たないという組織化学的観察の裏付けとなるものである。 マウスの様々な組織の抗アリールスルファターゼ抗体に対する反応性を調べたところ、表皮組織に強い染色像がみられた。また、マウスのゲノムDNAをウニおArs・cDNAをプローブとしてサザン分析すると明瞭なバンドが検出され、マウスにも類似の遺伝子が存在することが示された。ただし哺乳類では表皮に強いアリールスルファターゼ活性はない。また、哺乳類とウニのアリールスルファターゼの塩基配列の類似性は低く、サザン分析では検出できないはずである。これらのことを考えあわせると、ウニのアリールスルファターゼはウニでは酵素活性を持つものの、構造タンパク質として機能している可能性が考えられる。また、多種でもこのタンパク質は保存されており、同様に構造タンパク質として機能していると考えられる。
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