研究課題/領域番号 |
06680726
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
児玉 隆治 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (90161950)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 水晶体再生 / 分化転換 / 脱分化 / 網膜色素上皮細胞 / 虹彩色素上皮細胞 / 虹彩色素上皮 / ギャップ結合 / コネキシン |
研究概要 |
当研究課題の目的は、色素上皮細胞の分化転換という現象の、特に初期過程の興味をしぼり、それまで安定に維持されてきた分化形質が、どのような刺激によりどのようなメカニズムで失われて「脱分化状態」へと移行し、さらに新しい分化形質への転換が可能になるのかを問うことであった。モデルシステムとして重要なニワトリ胚網膜色素上皮細胞の培養において、このような観点から重要と考えられる諸因子について検討をすすめるとともに、得られた知見をもとに、イモリの生体内での水晶体再生を舞台として、このような因子がどのような挙動を示しているかを調べるという二つの方向で研究を進めた。 培養系では、フェニルチオウレアとbFGFによる脱分化に伴い(1)ギャップ結合による細胞間連絡が失われる、(2)細胞外基質を分解する方向へと遺伝子発現パターンがソフトする、(3)インテグリンを介した細胞外基質の認識とこれへの接着が失われる等の結果を得た。さらに(4)抗インテグリン抗体またはTGFβの添加により分化が抑制されること、(5)後者の場合細胞外基質の再編成が起こっていることがわかったが、これらの変化と上記の脱分化との関係は不明である。イモリ虹彩においてギャップ結合の増減を検討したところ、水晶体の除去後虹彩全体で増加した後、水晶体再生の起きる背側において顕著に減少した。ギャップ結合構成タンパク質遺伝子をイモリで部分的に単離し、その転写産物量を調べたところ、ギャップ結合の増加に伴う転写量の増加はあるが、その後の減少は認められなかった。 上記の結果から、分化転換の初期変化である脱分化の実体が、特に細胞外基質との関連で明らかになってきた。また、ギャップ結合に注目することによりイモリの水晶体再生過程が、虹彩全体での修復準備期間と、背側での再生期とに分離できることが示唆された。培養系での新知見を更に検討してより明確な理解をめざしたい。
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