研究課題/領域番号 |
06680742
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
口岩 聡 鹿児島大学, 医学部, 講師 (90161637)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 毛様体神経節 / 副毛様体神経節 / 眼球内神経節 / 動眼神経 / 副交感神経 / 近見瞳孔反射 / 脳内容局所血流 / NADPH-diaphorase |
研究概要 |
1.眼窩内に新たに小神経節(副毛様体神経節)を同定した。この神経節の性質を調査するために、軸索追跡法を用いて神経結合様式を調査した。その結果、この神経節の節前線維の起始細胞は、中脳吻側部の近見運動領域から起こることが明らかになった。このことから、この神経節は眼球の血流あるいは眼圧を調節する神経節細胞ではなく、近見反射に関係する神経節であることが示された。 2.眼球内に神経節細胞が存在することを証明した(眼球内神経節)。これらの神経節の神経結合様式を軸索追跡法を用いて調査したところ、その節前線維の起始は副毛様体神経節のそれの正中部に一致することが明らかになった。古くから、「近見運動に伴う毛様体筋運動は中継神経節を持たずに中枢により直接支配されている」とする根強い学説が存在するが、本研究の結果により、この説は否定され、眼球内神経節により中継されることが明らかとなった。 3.脳全体の血流は翼口蓋神経節により支配されていることが知られているが、大脳新皮質の局所的血流調節を支配する神経細胞については不明であった。一酸化窒素が血管平滑筋の拡張に関係していることに注目し、それを産生する神経細胞の局在を組織化学的に調査したところ、これらの細胞は末梢系に存在するのではなく、大脳新皮質内に均等分布することが明らかとなった。 4.動眼神経に含まれる血管拡張機能の有無を調査する目的で、毛様体神経節および副毛様体神経節に含まれる一酸化窒素産生細胞(血管支配細胞)の局在分布を組織化学的に調査した。一酸化窒素産生細胞は全神経節細胞の約1%を占めることが明らかとなり、動眼神経にも独自の血管支配機構が存在することが示された。
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