研究課題/領域番号 |
06680743
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
由利 和也 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (10220534)
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研究分担者 |
森田 規之 獨協医科大学, 医学部, 助手 (50239662)
上田 秀一 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60150570)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | エストロゲン / エストロゲン受容体 / 性的二型核 / 視床下部 / 内側視束前野 / ニューロン / 性的二型 / 分散培養 / バリコシティー / 極性 / 細胞骨格 / タウ / MAP2 / ラット |
研究概要 |
脳の性的二型核の形成におけるエストロゲンおよびエストロゲン受容体の機能を検索するため、視床下部ニューロンを用いて研究を行った。胎主期および生直後の雌ラットの視床下部内側視束前野を摘出し、初代分散培養を行い、ニューロンの突起伸長に及ぼすエストロゲンの作用について検討した。ニューロンに特異的な細胞骨格であるMAP2およびタウ免疫反応陽性性の突起は、エストロゲン投与後3日目以降に有意な突起伸長を示した。またエストロゲン受容体免疫反応陽性ニューロンは、陰性のものに比べて有意に突起を伸長した。さらに胎生期のラットを用いて視床下部ニューロンの低密度分散培養を行い、培養後早期におけるエストロゲンの影響を走査電子顕微鏡を用いて観察した。培養開始後12時間以前では、エストロゲン投与群とコントロール群とに差は認められなかったが、24時間以降、エストロゲン投与群において、軸索と思われる突起の伸長およびバリコシティーの増加が観察された。次いで、胎生期の雌雄ラットにおけるエストロゲン受容体の発現をエストロゲン受容体に対する抗体を用いて免疫組織学的に検索した。視床下部内側視束前野においては、雌ラットにおいて胎生17日目よりエストロゲン受容体陽性ニューロンが観察されたが、雄においては19日目以降に陽性ニューロンが認められた。また免疫陽性反応は雌において強く観察された。以上の結果より、エストロゲンは、胎生期のラットの視床下部にエストロゲン受容体を介して作用を及ぼす、ニューロンの極性の確立やバリコシティーの形成に影響を与え、突起の伸長を促進し、脳の形態に性差をもたらす可能性をもつことが示唆された。
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