研究課題/領域番号 |
06680769
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
野口 鉄也 東邦大学, 医学部, 教授 (80051366)
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研究分担者 |
杉崎 哲朗 東邦大学, 医学部, 講師 (30129481)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 脳発育 / 内分泌異常ミュータントマウス / 成長ホルモン(GH) / ミエリン低形成 / Insulin-like growth factor-1(IGF-1) / IGF結合蛋白(IGFBPs) / IGF-1受容体 / Pygmyマウス(pg) / 成長ホルモン / Insulin-like-growth factor-1 (IGF-1) / pgマウス / 甲状腺ホルモン / IGF-1 / サイロキシン / 特異的結合 / IGF-I / dwマウス / litマウス / hytマウス / cogマウス |
研究概要 |
脳発育におよぼす成長ホルモン(GH)の二次ホルモンとしてのInsulin-like growth factor-1(IGF-1)の作用機構について明らかにする目的で、脳発育遅滞を示すGH分泌異常ミュータントマウス(Snell下垂体性小人症マウス;dw、先天性成長ホルモン単独欠損症マウス;lit)、甲状腺ホルモン分泌異常ミュータントマウス(先天性甲状腺機能低下症マウス;hyt、先天性甲状腺腫マウス;cog)、及び、血中GHおよびIGF-1レベルが正常であるにもかかわらず、脳の発育異常と行動異常を示す小人症マウス(pygmy マウス;pg)を用いて、発育過程を追っての脳発育の液性因子の検索、ならびにIGF-1受容体について検索を行い、以下の成果を得た。(1)40日齢マウスのIGF-1を測定した結果、dw、lit、hyt、cogでは血清、肝臓、腎臓でいずれも有意に低下していたが、pgでは差は認められなかった。脳各部位におけるIGF-1値はいずれも正常マウスと差は認められなかった。(2)血清中のIGF結合蛋白(IGFBPs)は、pgでは全く異常は認められなかったが、他の4種のマウスでは、IGFBP-3とIGFBP-4が著しく減少し、また、IGFBP-2に関しては、dwで増加し、その他では減少していた。このことから、肝臓におけるIGFBP-3とIGFBP-2の産生がそれぞれGHと甲状腺ホルモンにより促進されていることが示唆された。(3)pgマウスを用いての発育期を追ってIGF-1を測定した結果、血清のIGF-1値が20日齢で有意に低下していた。これは、IGF-1産生の主臓器である肝臓と腎臓でのIGF-1産生減少によるものと考えられた。また、大脳と脳幹においても、血清IGF-1値の変化と同様な変化の傾向が認められた。この結果と、dwで生後20日齢から血清、肝臓、腎臓のIGF-1値が有意に低下することとを考え合わせると、脳発育に対するIGF-1の臨界期が20日齢であることが示唆された。(4)pgマウスの脳各部位から調整したミクロソーム画分への[^<125>I]IGF-1の特異的結合は、いずれの部位においても正常マウスとの間に差は認められなかった。また、[^<125>I]IGF-1のアフィニティー架橋実験および部分精製したIGF-1受容体のリン酸化実験の結果、いずれも正常マウスとの間に差は認められなかった。これらのことから、pgマウスではIGF-1受容体後の細胞内情報伝達機構に異常のあることが考えられた。
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