研究課題/領域番号 |
06680770
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
安西 偕二郎 日本大学, 薬学部, 助教授 (30114359)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 反復配列 / 低分子量RNA / ニューロン / 筋肉 / 樹状突起RNA / タンパク合成 / RNA輸送 / リボ核タンパク複合体 / 反復遺伝子 / RNA / 神経細胞 / リボ核タンパク粒子 / シナプス / リボ核タンパク |
研究概要 |
BC-IRNAはゲッ歯類に特異的なID反復遺伝子の転写産物で、神経細胞で選択的に転写される。このRNAは特定のタンパクと複合体を形成し、樹状突起に運ばれる。このような特質を持つRNAは他に例がない事からも、このRNAの転写メカニズムや、神経細胞内の特定のコンパートメントに輸送されるメカニズム、更には樹状突起後シナプス部における役割について解析する事は夫々に重要なテーマである。我々は、平成6年から7年度の研究年度にわたり、主に次の2点について解析を行った。 1.BC-IRNAの発現に関与する生理的因子の解析:BC-IRNAは動物の誕生後、脳が成熟する過程で増加するが、この意味を更に理解するため、我々は骨格筋をモデルとして解析を行った。その結果、a.BC-IRNAは筋肉が運動神経の支配を受ける胎児期に増え、出生後シナプスが成熟する過程で減少した。これらの結果と、脳の結果を合わせ考えると、BC-IRNAは中枢、末梢を問わずシナプスの形成過程や、それにともなった後シナプス細胞の分化過程で機能している事を示唆している。b.運動神経の除神経により増加した。この増加には、筋肉の活動度や神経に由来する栄養因子が関与していると思われる。アセチルコリン受容体mRNAは除神経でup-regulationされるのに対し、アセチルコリンエステラーゼmRNAはdown-regulationされる事を考えると、BC-1RNAはシナプスの形成や、再生過程で機能していると考えることができる。更に、詳細に解析を行っているが、骨格筋で得られた結果はBC-IRNAの発現が、中枢神経系にあっても神経細胞相互の伝達過程と密接な関係を持って調節されている事を示唆している。BC-IRNAの機能について理解を深める為には、その細胞内における局在部を知る事が大切である。現在、in situ法により骨格筋細胞における局在部分について調べている。 2.BC-IRNAの細胞内輸送に関する解析:BC-IRNAには、TB-RBP (Testis-Brain-RNA-Binding-Protein)の認識配列がある。このタンパクはmRNAを微小管へ結合させる活性を持つ事が報告されている。現在、BC-IRNAを2次構造上の特徴的なドメイン構造に分け、それらの各部分にTB-RBPを含めどのようなタンパクが結合するか解析している。TB-RBPの認識配列がある事は、BC-IRNAが微小管と相互作用しながら樹状突起に輸送される事を示唆しており、そのメカニスムについて考える上で重要な知見である。
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