研究課題/領域番号 |
06680777
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
木内 一壽 理化学研究所, バイオ・ミメティックコントロール研究センター, チームリーダー (30135339)
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研究分担者 |
武内 章英 名古屋大学, 医学部・免疫学講座, 大学院生
磯部 健一 名古屋大学, 医学部・免疫学講座, 助教授 (20151441)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
300千円 (直接経費: 300千円)
1995年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
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キーワード | 線条体 / ミクログリア / 誘導型NO合成酵素 / L-NAME / GDNF / グリオーシス / グリア細胞 / NO合成酵素 / ドーパミン神経 / MPTP |
研究概要 |
線条体の損傷モデルの作製を試み、iNOSの誘導が起きることを見い出した。定位脳手術によりラットの線条体にエタノール5μlを直接注入し、線条体の約20%が変性する損傷モデルを作り、RT-PCR法により初期応答遺伝子、iNOS、サイトカイン、神経栄養因子等の遺伝子の発現パターンを経時的、空間的に解析した。損傷操作後c-fosの遺伝子発現に続いて、IL-6、G-CSF、iNOSおよびCSF-1遺伝子の誘導が起こり、エタノール注入後、各々0.5、6、12、24および72時間でその遺伝子発現が最大となった。一方、GDNFを始めとする各種の神経栄養因子の遺伝子発現の変動は見られなかった。iNOSに関して、さらに、in situ hybridizationおよびimmunohistochemistry法により分析したところ、損傷部位と健常部位との境界領域に限局してミクログリアにiNOSのmRNAおよび蛋白質が発現していた。また、in situ hybridization法によりMn-SOD及びCu/Zn-SODのmRNA発現が、iNOS発現領域に一致して、損傷操作後24時間目の組織にみられた。SODは細胞をNOの毒性から保護するものと思われる。さらに、エタノール注入後5日目には、損傷部位にCSF-1の作用により増殖したと思われるミクログリアが出現しており、境界領域の神経細胞は脱落しグリオーシスが進行していた。しかし、NOSの阻害剤(L-NAME)を損傷操作直後にラットに全身投与しておくと境界領域にある神経細胞の脱落は減少した。以上のことから、ミクログリアの生成したNOは損傷部位と健常部位との境界領域で何らかのダメ-ジを受けた神経細胞を排除させるものと考えられる。
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