研究課題/領域番号 |
06680796
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
佐久間 康夫 日本医科大学, 医学部, 教授 (70094307)
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研究分担者 |
井川 輝美 日本医科大学, 医学部, 助手 (80212728)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 雌ラット / エストロゲン / 性行動 / 視索前野 / 逆行性興奮 / 輪回し行動 / オープンフィールド / 大脳辺縁系 |
研究概要 |
雄ラットの運動量が性周期と同期して変化し、血中エストロゲンの作用で発情期に高い値を示すことは古くから知られているが、この現象の神経学的基盤は不明である。雄ラットでは運動量が性衝動の強さを反映すると考えられるので、これまで生理学的研究の手がかりの乏しかった性衝動の調節に関わる脳内神経回路の同定がエストロゲン感受性を指標として可能と考え、本研究計画では運動量の増加に関わるエストロゲンの脳内作用部位を電気生理学的、行動学的手法により同定した。 (1)麻酔下の雄ラットの内・外視索前野から中脳歩行領域に投射する神経細胞の逆行性興奮誘発閾価と不応期にエストロゲンがおよぼす効果を調べ、 (2)併せて微量のエストロゲン結晶の脳内定位的植込みが自発運動量におよぼす効果を本年度の補助金による購入備品により評価した。電気生理学的研究から、エストロゲンは外側視索前野から中脳歩行領域に投射する神経細胞の興奮性を高めるが、内側視索前野からの投射は逆に抑制する対照的な作用を持つことが示された。この所見は電気刺激などによるこれまでの報告と良く対応する。一方、内・外側視索前野へのエストロゲン植込み実験では、部位により輪回し行動量とオープンフィールド行動量に異なった影響が現われた。エストロゲンの全身投与はこれら二つの行動を共に促進したので、内・外視索前野に別個のエストロゲン感受性機構が存在することが行動実験によっても明らかとなった。今後自由行動下の動物において内・外視索前野から単一放電活動を記録し、行動と関連づけることにより、性衝動の発現における前脳エストロゲン感受性細胞の動的機能や嗅覚系を始め、大脳辺縁系との機能連絡を明らかにすることを期している。
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