研究課題/領域番号 |
06680809
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平野 丈夫 京都大学, 医学部, 助教授 (50181178)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | シナプス / 小脳 / プルキンエ細胞 / 顆粒細胞 / バスケット細胞 / グルタミン酸受容体 / 培養 / 樹状突起 |
研究概要 |
小脳プルキンエ細胞へのシナプス入力のうち、グルタミン酸作動性の顆粒細胞は常に樹状突起上に興奮性シナプスを形成するが、GABA作動性のバスケット細胞は細胞体上に抑制性シナプスを形成する等、シナプス前細胞により、細胞部位選択的なシナプス形成が行なわれる。細胞部位選択的なシナプス形成は神経回路の機能上重要な意味を持つと考えられるが、私達はこの細胞部位選択的シナプス形成が小脳の分散培養下においても再現できることを既に報告した。本研究では、プルキンエ細胞の各部位に特異的なシナプス後受容体が存在するかという問題を特異抗体を用いて検討した。顆粒細胞・プルキンエ細胞間のシナプスはグルタミン酸作動性であり、長期抑圧と呼ばれるシナプス可塑性を示す。従って、このシナプスが形成されるプルキンエ細胞樹状突起上には、長期抑圧の発現に関与するような特別な受容体が局在する可能性が考えられる。グルタミン酸受容体はイオンチャネル内在型のイオノトロピック受容体とGタンパク結合型のメタボトロピック受容体に大別されているが、長期抑圧には両者のサブタイプが関与すると考えられていた。メタボトロピック受容体mGluR1サブタイプ細胞外ドメインのグルタミン酸との結合に関与すると推定される部位を抗原として抗体を作製したところ、mGluR1の機能を阻害する抗体が得られた。この抗体により長期抑圧が阻害され、プルキンエ細胞が濃染されたが、染色は樹状突起で最も濃かった。また、プルキンエ細胞のみで発現するイオノトロピック受容体δ2サブユニットも長期抑圧に関与していることを私達が示したが、このδ2サブユニットもプルキンエ細胞樹状突起上に局在する傾向が強かった。このように、特異的シナプス形成部に特異的な受容体が局在することが明かとなった。
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