研究課題/領域番号 |
06680819
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
井上 真澄 福岡大学, 医学部, 助教授 (40223276)
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研究分担者 |
今永 一成 福岡大学, 医学部, 教授 (40078613)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 副腎髄質細胞 / ムスカリン受容体 / 非選択的カチオンチャネル / G蛋白 / 燐酸化 / 脱燐酸化 / Mg^<2+>依存性脱燐酸化酵素 / Ca^<2+> |
研究概要 |
パッチクランプ法により副腎髄質細胞をA1F化合物含有細胞内液で灌流すると、保持電位-55mVで内向きの非選択的カチオン(NS)電流が一過性に発生する。この電流の最大値及び誘発された電流が半分に減少するのにかかる時間(T_<1/2>)は、細胞内遊離Mg^<2+>濃度([Mg^<2+>])が1mMから12μMに減少するに従い大きくなった。アルカリ脱燐酸化酵素をA1F細胞内液に加えると、見かけ上[Mg^<2+>]を増加させるような効果を持ち、逆にバナジン酸の付加は[Mg^<2+>]を低下させるような効果を持った。細胞内にA1F化合物を投与すると、ムスカリン受容体刺激によるNS電流の発生は一過性になった。これらの結果は、G蛋白活性薬のA1F化合物の細胞内投与がNS電流の活性化ばかりでなく脱活性化をも促進すること、そして脱活性化にはMg^<2+>依存性脱燐酸化酵素が関与することを示唆する。次にA1F含有細胞内液のATPを除去又はAMP-PMPに置換して全細胞電流を記録した。これらの操作は、NS電流の最大値及びT_<1/2>に影響しなかった。しかし、内因性ATPをCN化合物の前処理により枯渇させた条件下では、NS電流の発生はまったくA1F含有細胞内液のATPに依存した。非加水分解性ATPアナログのAMP-PMPやATPγS、さらにGTP、ITP及びUTPは、全くこのATPの作用を持たなかった。これらの結果は、NSチャネルの活性化に燐酸化が関与することを示唆する。そこで、関与する燐酸化酵素を同定するために、まずCa^<2+>依存性を調べた。細胞外のCa^<2+>を除去すると、ムスカリンで誘発されるNS電流が細胞の1/3で約半分に減少した。cyclopiazonic acidをCa^<2+>除去液に加えると、このNS電流減少が2/3の細胞で観察された。一方、細胞外にA-23187を加えると、ムスカリン誘発性NS電流は30%増加した。これらの結果は、細胞内Ca^<2+>はNSチャネルに対して促進的作用を持つが、活性化には不可欠でないことを示唆する。
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