研究課題/領域番号 |
06680829
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
織田 銑一 名古屋大学, 農学部, 助教授 (60023660)
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研究分担者 |
並河 鷹夫 名古屋大学, 農学部, 助教授 (70111838)
鬼頭 純三 名古屋大学, 医学部, 教授 (60022802)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | スクラーゼ / 二糖類水解酵素 / シバヤギ |
研究概要 |
ヒト集団においてはスクラーゼ・イソマルターゼ複合体の異常が、スクラーゼ単独の異常より多いとされている。これらの症例の頻度は北アメリカヒト集団では 0.2%、グリーンランドのエスキモーでは10%存在し、ヘテロ集団としては世界人口の9から63%に達すると言う。これらの異常は常染色体劣性遺伝をすると考えられている。 スクラーゼ単独の活性欠損はスンクスやトガリネズミ類で見い出されており、またヒツジにおいてスクラーゼ・イソマルターゼの両活性が欠損していることが報告されている。一方、ヤギではスクラーゼ活性の存在が報告されている。しかしながら、ヒツジとヤギは比較的近縁な動物であり、品種、系統によっては活性が欠損している可能性がある。そこで、名古屋大学農学部附属山地畜産実験実習施設及び名古屋大学農学部附属農場で飼育されているシバヤギについて、二糖類水解酵素の活性の有無について調べた。 その結果、シバヤギではスクラーゼ、イソマルターゼ、トレハラーゼの活性がほとんど認められず、マルターゼ活性の存在は判別しにくい値を得た。シバヤギではスクラーゼ・イソマルターゼおよびトレハラーゼの活性が欠損しており、スンクスとは異なるタイプの疾患モデルとして利用できる可能性がある。 スクラーゼ蛋白についてSDS-PAGEを行ってみたところバンドは検出できなかった。これは使った抗体にも関係があるので技術的な問題も検討する必要がある。スクラーゼに関しては、活性がない異常酵素をつくる、酵素蛋白の合成が行われない、酵素蛋白が細胞膜まで輸送されない、酵素蛋白が細胞膜から細胞外へつきでない、プロテアーゼの作用をうけず、pro-sucrase-isomaltaseのままである、sucrase-isomaltazeの結合が異常になっている、アンカー部位の異常によって膜から簡単に脱落する、ということが考えられる。また酵素をつくるDNAが欠損又は異常配列をおこしている、DNAからmRNAへの転写が行われない、といういくつかの段階での異常・欠損が考えられうる。シバヤギの酵素活性の欠損がどのタイプの異常と対応するのか、今後、蛋白の検討と両活性のあることが知られているウサギのcDNAを用いた分析を行っていく必要がある。
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