研究課題/領域番号 |
06680834
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
浦野 徹 熊本大学, 医学部, 助教授 (90101899)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 / MRSA / 実験動物 / 耐性菌 / 抗生物質 / 黄色ブドウ球菌 / メチシリン |
研究概要 |
近年、人医領域における術後感染等における日和見感染の起因菌として、MRSA(methicillin resistant Staphylococcus aureus)感染が問題になっている。私は、病院と動物実験施設が同一敷地内に併設されている事、しかも動物実験を行う研究者が病院内の入院患者と実験動物の両者と頻繁に接触している事実から、実験動物領域でもMRSA汚染が起きていないかを検討する事とした。そこで、病院と同一敷地内の動物実験施設について、各種実験動物、これらの動物にかかわるヒト、及び周辺環境を対象にしてMRSAの疫学調査を実施し、次に、分離されたMRSAの病原性について検討を加える事とした。 まず初めに、動物実験施設内のヒト、環境及び実験動物から、すなわち、(1)ヒト:飼育を担当している飼育者の鼻腔のスワブ、(2)環境:一部の飼育室内の飼育器材や床面などを拭き採ったスワブ、(3)実験動物:施設内で飼育中のマウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ブタ及びヤギの新鮮糞便と被毛のスワブを対象として、本菌の分離を行った。その結果、これらのいずれからもMRSAが全く分離されなかった。また、実験動物由来のSA(Staphylococcus aureus)について、オキサシリンを用いて試験管内で耐性菌の作出を試みたが、MRSAを得ることはできなかった。 そこで、ヒトの病巣由来のMRSA株を用いて感染実験を行ったところ、本菌の動物間での伝搬が成立し、さらに陽性マウスから生まれた仔にも伝搬が認められた。また、これらのヒト病巣由来MRSA株陽性マウスを取り扱った手袋及び周辺環境にも汚染は拡大した。 次に、試験管内でヒト由来のSA株について各種消毒薬の効果を検討した結果、アルコール類、第4級アンモニウム塩、フェノール代用物は著しい殺菌効果が認められた事から、これらの消毒薬はMRSAに対しても有効と思われた。
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