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言語の韻律情報と記憶システムの関連性についての実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06710080
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 教育・社会系心理学
研究機関鳴門教育大学

研究代表者

齊藤 智  鳴門教育大学, 学校教育研究センター, 助手 (70253242)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード記憶システム / 作動記憶 / 音韻的作動記憶 / 韻律情報 / リズム / 抑揚 / 系列再生 / 記憶促進
研究概要

本研究では,認知心理学的アプローチにより次の問題を解明することを目的としていた.(a)韻律情報は,我々の記憶システムに含まれているのであろうか.(b)韻律情報の活性化が我々の言語認知を促進するのであろうか.
この研究目的を達成するために,まず,100あまりの文献を検討し,実験材料及び厳密な手続きを決定した.最終的に,人間の言語認知・記憶における韻律情報の役割を検討するために,系列再生法による記憶実験をおこなった.実験には3つの条件が設定されていた.コントロール条件では,通常の系列再生のみが求められた.リズム条件では,刺激材料の呈示を3つずつに区切っておこない,リズムを付加した.抑揚条件においては,刺激項目の3番目と6番目を高いイントネーションで,9番目の項目を低いイントネーションで呈示した.いずれの条件においても,刺激の呈示速度は,1項目/500msec.でなされ,9項目の再生が要求された.各条件とも5リストが本試行であり,合計で15リストからなる実験セッションが設定されていた.被験者は,練習試行のあと,条件の順序に関してランダマイズされた15リストに従事した.再生は書記によっておこなわれ,2つの指標によって評価された.1つは完全リスト正答数であり,もう1つは系列位置正答数である.完全リスト正答数は,各条件について,9項目すべてが正答となっているリストの数である.系列位置正答数による指標では,正確な系列位置に再生された各項目の数が,条件別,系列位置ごとに集計された.
実験の結果,完全リスト正答数によっても,系列位置正答数によっても,リズム条件の再生成績が他の2つの条件に比べて高かった.そして,抑揚条件は,完全リスト正答数において,コントロール条件よりも正答数が多かった.これらの結果は,推計学的にも支持された.
本研究により,韻律情報が記憶システムに保持されているとともに,それらの情報が音素情報の保持を促進するということが示された.ただし,時間的長短からなるリズムによる影響と,イントネーションから作りだされる抑揚による影響の違いについては,今後の検討の必要性を残している.

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

URL: 

公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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