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ハ-バーマスの近代論の展望

研究課題

研究課題/領域番号 06710118
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 社会学(含社会福祉関係)
研究機関京都大学

研究代表者

吉田 純  京都大学, 文学部, 助手 (40240816)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードハ-バーマス / モデルネ / フランクフルト学派 / 批判理論 / アドルノ / ベンヤミン / モダニズム / ポストモダニズム
研究概要

ハ-バーマスの近代論がポストモダニズムに比較してもつ積極的意義を、理論・経験両面にわたって探り出すことが本研究の目的であった。このため、以下のような手順で研究をおこなった。
1.ハ-バーマスの近代論、それに大きな影響を与えた初期フランクフルト学派(とくにアドルノ、ベンヤミンら)の近代社会・近代芸術論、および現代のフランスを中心とするポスト構造主義・ポストモダニズムの社会理論に関係する内外の文献資料を収集し、これらの資料をふまえて、「近代」をめぐるハ-バーマスの独自の理論的立場と基本的論点を探った。(資料整理には、大学院生を雇い謝金を支払った。また資料収集のため、東京へ二回出張した。)その結果明らになった知見は以下のとおりである。(1)ハ-バーマスは、アドルノが近代芸術の中のみに見出していた社会批判の拠り所としての「理性」を、芸術のみならず近・現代文化(モデルネ)一般に潜在する「コミュニケーション的合理性」として捉え直した。(2)また彼は芸術批評に、芸術と日常的生活世界とを媒介する役割を見出すことによって、ベンヤミンが追及した、芸術の大衆化による両者の媒介という方向性を救いだす可能性を呈示した。(3)ポストモダニズムは、芸術と他の専門的文化(科学、法)との文化、および芸術と生活世界との分化を無視し、それぞれの領域がもっている固有法則性を捨象するため、これらの諸領域の分化を本質とする近・現代社会の分析に必要な理論枠組を提示しえないと批判される。
ハ-バーマス、ポストモダニズム双方の議論の準拠点である、市民レベルでのコミュニケーションのありかたが、社会の情報ネットワーク化の進展によっていかなる影響を受け変容をこうむるか、そしてその変容が双方の論点にとっていかなる意味をもつかを明らかにするため、特に日本でのコンピュータ・ネットワーク(学術ネットワークおよびパソコン通信)に注目し、それに関する一次資料(文献のみならず、映像・音声メディアによるものも含む)を、直接ネットワークにアクセスすることも含めて、収集し比較検討した(この過程では、備品として購入したApple PowerBookを使用した)。これらの資料は現在、整理段階にある。
3.上記の1.に関しては、論文「モデルネの救済-ハ-バーマスにおけるモデルネ論の形成-」にまとめ発表した。また、その過程でハ-バーマスの著書『新たなる不透明』を研究協力者と共同で翻訳し、出版した(いずれも研究発表欄参照)。2.に関しては、平成7年度中に成果をまとめ論文として発表予定である。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 吉田 純: "モデルネの救済 -ハ-バーマスにおけるモデルネ論の形成-" 京都社会学年報. 第2号. 1-18 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] ハ-バーマス著・河上倫逸監訳 上村隆広・城達也・吉田純訳: "新たなる不透明性" 松籟社, 416 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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