研究課題/領域番号 |
06710198
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 長崎総合科学大学 |
研究代表者 |
木永 勝也 長崎総合科学大学, 工学部, 助教授 (80221919)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 1930年代 / 農村社会 / 農民運動 / 小作争議 |
研究概要 |
今年度は、基本資料の収集、とくに農業関係行政資料の閲覧が一つの柱となったが、1930年代前半までの閲覧を終えつつあるが完全に終了するにはいたらなかった。というのも、一九三0年代初頭以後の右派農民組合による争議の継続が注目され、量的問題というより取締当局による争議の誘導の質を問わねばならないことが明白となり、同時に福岡県内の右派農民組合の運動自体のより深い分析も必要となり、一九二0年代にさかのぼって再検討を始めたためである。今後右派農民組合論として早急にまとめたいと考えている。 次の目標であった小作争議関係者や遺族への聞き取り調査は予定した対象者や紹介者が死去されたため実現しえなかった。一方農会・産業組合の機関誌などあるいは、一九三0年代の福岡県農業政策関係史料については、東京都内や福岡県内の史料保存機関や農業関係機関でかなり収集することができた。さらに農山漁村経済更生運動については小作争議が多く発生した地域での発掘はできなかったが、福岡県内の三、四地区で、資料の所在を関係している自治体史の編纂事業関係機関の協力をうけて確認し、うち一地区については資料利用の許諾と撮影による収集を一定度行った。さらに小作争議発生数が多かった地域の郡農会関係史料や、従来等閑視してきた耕地整理事業関係史料が発掘できたため、その調査・収集・概括的検討から、一九二0年代から三0年代にかけての自作農を軸とした農村秩序の維持強化が一貫してはかられていることが検証できる可能性があり、このため自作農創設維持政策の展開と小作争議鎮静化との関連について一九二0年代半ばに遡及して再検討していくことが今後の課題となり、現在史料整理作業と並行して検討を続けている。
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