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宋代州県官の地方行政実務遂行における地縁・血縁的影響要因の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06710213
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 東洋史
研究機関静岡精華短期大学

研究代表者

戸田 裕司  静岡精華短期大学, 国際文化学科, 講師 (10242794)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード宋代 / 地方行政 / 地縁 / 血縁 / 伝統中国
研究概要

南宋時代の州県官の裁判・公務執行関係文書集である『名公書判清明集』の詳細な解読が、本研究の基本作業現となった。そして両浙(特に浙東)・福健江西の事例に注目して検討した結果、次のような見解に達した。
(1)宋代にはほぼ「近代的」とさえ思われるような体系性を備えていたと言われる伝統中国の官僚制も、州県レベルでの実務遂行においては、他方管の縁故者が正規の官吏としてではないが、その血縁的近さや居住場所の近さなどから判決の方向を変える程の影響力を持ち得た。
(2)州県官は、在地有力者との関係においては、これを尊重し行政への積極的協力を取り付けるべく時には違法な便宜供与をも行なったが、基本的権力関係としてはあくまでも優位に立っていたといえる。これは儒教論理に忠実で法や刑を発動することに躊躇しない地方管が赴任して来た際には、従来の有力者たちの地位が一挙に覆る事例がまま見られることからもわかる。
(3)(2)で在地有力者について述べた図式は、実は州県官に対しても有効である。彼ら地方官はあくまでも帝国全体の統治機構のなかで一つの地位を占めているに過ぎず、(1)のような事実があまりに突出すれば、更に上位の権力によって弾効されることとなる。
本研究によって、これら3点について(『名公書判清明集』以外の同時代の文集・方志史料などからも)史料に密着した形で明確にでき、日・欧封建社会とは異質な伝統中国の国制にかんするより一般的考察への足掛かりができた。但し、この知見を同時に収集した周辺諸科学の成果と整合的に理解して行く作業は、いまだ緒についたばかりであり、今後の課題とせざるを得ない。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 清明集研究編: "『名公書判清明集』(懲悪門)訳注稿《その四》" 清明集研究会(汲古書院販売), 50 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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