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後期ローマ帝国における都市の租税課徴組織の国制的位置づけの究明

研究課題

研究課題/領域番号 06710221
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 西洋史
研究機関鳥取大学

研究代表者

浦野 聡  鳥取大学, 教養部, 講師 (60211778)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード納税強制 / クリア-レス(curiales) / プラエポジトゥス・パギ(praepositus pagi) / エクサクトレス(exactores) / ボエ-トス(boethos) / 帝国貴族(honorati)
研究概要

後期ローマ帝国行政組織の最底辺を構成する都市のライトゥルギー官吏の国制的位置づけを究明する一環として、とりわけ都市での租税課徴業務を担った参事会員curialesの財政上の諸官職に注目した筆者は、職責の上位の方からexactores,susceptores,praepositus pagi(pagarches)へと対象を下げつつ、彼らがその職務をいかなる社会的背景から担わされ、またその職務からいかなる政治的・経済的利益・不利益を被ったか、またその結果、彼らをいかなる国制的位置づけを獲得していったか、特に、帝国の財政的要求が最も先鋭な形で現れたエジプトのパピルス史料に則して究明した。その結果、従来の定説とは全く異なる実像が浮かび上がってきた。すなわち、(1)彼らは後期ローマ帝国の財政担当の常勤の官吏の絶対数の不足から、都市内における租税の課徴業務を独占的に支配していたこと、(2)それゆえ自らの財政維持を彼らの活動に全面的に依存していた帝国は、納税者の租税欠損を参事会員に連帯して支払わせるというようなことは通説に反して行っていなかったこと、(3)参事会員の中でも、こうした状況を自ら有利に利用しうるだけの才覚を持った者は、とりわけ租税課徴の現場で村落住民と直接関わるpraepositus pagi(各都市十数〜二十数名)の資格で、代理人(boethos)、私警、私獄、を持つ事を許され、納税者に対してかなり強力な納税強制を実現しえたこと、(4)その結果、六世紀には、様々な名誉称号・名誉位階を手に入れ、精巧な納税強制組織を自らの所領管理組織に転化した彼らは、その所領管理組織を租税徴収にも利用することで帝国に奉仕し、単に豊かな経済的基盤を持つ私的大土地所有者というのではなく、地域社会における政治的基盤もより確かなものとしえた帝国貴族honoratiとしての国制的位置づけを獲得したこと、の四点である。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 浦野 聡: "後期ローマ帝国における納税強制とcuriales" 西洋古典学研究. 43. 97-108 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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