研究課題/領域番号 |
06710230
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福永 伸哉 大阪大学, 文学部, 助教授 (50189958)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 三角縁神獣鏡 / 古墳時代 / 邪馬台国 / 初期ヤマト政権 |
研究概要 |
本研究の目的は、(1)三角縁神獣鏡の体系的な型式編年を組み立てること、(2)編年に基づいて三角縁神獣鏡の配布経過を復元すること、(3)古墳時代の実年代を新たに整理し直すこと、(4)これらの作業を通じて三角縁神獣がわが国の国家形成期において果たした歴史的意義を明確にすること、であった。 作業はまず、全国で出土した三角縁神獣鏡の検索を行い、実地調査を含めてその写真資料の収集につとめた。この過程でこれまで学界に知られていなかった資料を新たに追加することができた。この資料をもとに舶載鏡5段階、彷製鏡5段階からなる三角縁神獣鏡の新たな編年を行い、各段階別の分布状況を明らかにした。また、古墳副葬品の組み合わせの中で三角縁神獣鏡と銅鏃、碧玉製腕飾類の共存関係を検討し、これら3者がほぼ時期を同じくして急速に消滅することを実証的に示した。 以上の作業の結果、三角縁神獣鏡が中国魏晋王朝と倭との正式な通交関係によってもたらされたものであることを指摘し、その入手と配布を独占することによって、邪馬台国・初期ヤマト政権が国内の政治的主導権を確立していった過程を明らかにした。さらに、三角縁神獣鏡、銅鏃、碧玉製腕飾類がほぼ同時に消滅する現象については、これらに威信財としての権威を保証していた政権の崩壊を示しているという仮説を提起し、古墳時代の政権交代にかんする展望を示した。
|