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メソポタミア銅石器時代石器群の時期的変遷に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06710235
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 考古学(含先史学)
研究機関東海大学

研究代表者

西秋 良宏  東海大学, 文学部, 講師 (70256197)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードサラサート / 鎌刃 / 社会変化 / 先史考古学 / 文明化 / 交易 / 石器製作技術 / 分業
研究概要

メソポタミアの銅石器時代は、続く青銅器時代に開花した古代文明の基礎が作られつつあった時期である。そのプロセスの研究は、従来、独特な彩文土器や大形建築物、特異な墓制の分析を中心に進められてきたが、一方、当時の日常利器であった石の道具は注目されてこなかった。そこで石器群の分析によって新たな視点が提示できないかと考え、本研究を計画した。分析対象としたのはイラク、サラサート遺跡出土の1万点を超える石器である。14層におよぶ層位的資料を定量的に解析し、年代的変化を追跡した。
判明した最重要な成果は、鎌およびその刃の形状変化である。銅石器時代前半には剥片素材鎌刃の段状装着鎌が主体であったが、後半期にいたって精巧な石刃素材鎌刃の連続装着鎌へと移行していたことがわかった。一般に石刃は剥片に比べて使用に便利だが、製作にはコストがかかる。すなわち、石材選別や技術の習得、さらには作業そのものに手がかかる。にもかかわらず、石刃鎌の製作へと移行したのは、そのようなコストをまかなえるだけの分業や労働時間配分システムが確立した、つまり、続く複雑な文明社会を特徴づける社会体制が整ってきたからではないかと考えられた。また、需要と供給に基づく集団関係が整備されねば得られないはずの輸入石材である黒曜石の利用が、ほぼ同じ時期に増加していることも明らかになった。しかも、サラサート分析による限り、その移行は連続的かつ急速に生じたことが示唆された。これらは原始社会が文明化する過程を考察するのに重要なデータであると確信する。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 西秋良宏: "旧石器時代における遺棄・廃棄行動と民族誌モデル" 先史考古学論集. 3. 83-97 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 西秋良宏: "北メソポタミア土器新石器時代初頭の竪穴掘削行動" オリエント. 36. 100-119 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 西秋良宏: "石器製作時に生じる偶発剥離の問題" 東海大学校地内遺跡調査団報告. 4. 111-125 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 西秋良宏: "Core reduction teshndogy at the Middle Palaeolithic site of Keove Cave,Lebanon" Bulletin of the Ancient Orient Museum. 14. 1-21 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 西秋良宏: "Notes on the Neolithic stone artifacts from Tell Damshliyya,Balikh valley,Syria" Archiv fur Orientforschunct. 40. 301-303 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 西秋良宏: "イラク、テル・サラサート2号丘出土石器群の再検討" オリエント. 37(印刷中). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 西秋良宏: "考古美術(西アジア)部門所蔵考古学資料目録" 東京大学総合研究資料館, 141 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 松本健: "第1回西アジア発掘調査報告書" クバプロ, 102 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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