フィールドワークは、平成6年9月に、砺波市出町地区の老年層・中年層・青年層を対象として、/′i/と/′e/の統合現象・ガ行鼻音濁音・アクセント・イントネーション等の項目について、質問方式・自然傍受方式といった従来一般的に行なわれている方法の他に、合成音声による知覚実験・意識調査を加えて実施した。 現在新たに高岡市の調査に着手したところである。 音声資料収集には、購入した高性能デジタル録音器DAT及びDAT対応高性能マイクを用いた。 知覚実験に用いる合成音声の作成は、東北大学日本語学科所有のCSLを使用させていただいた。 録音資料は、購入したハードディスクに蓄積し、現在音声分析器により分析中である。 音声分析には、既存の備品である音声分析器『音声工房』と新たに購入した『音声録聞見』を併用している。 なお、全体的傾向を把握するための予備分析は、一部学生アルバイトを採用して行った。 統計分析は、音声分析器による分析が終了した段階で、主に社会言語学的視点から行なう予定である。 本研究は、分析途中ではあるものの、既に、音声分析器を用いたからこそ見出せた方言音声研究上の新たな知見がいくつか得られている。分析が済み次第随時発表していきたい。
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