研究概要 |
研究計画に従って資料の収集、新資料の発掘、集中、その分析を行うと同時に、研究のとりまとめを中心に作業をすすめた。(1)〈国立戯劇学校に関する基本資料の複写、整理〉国立戯劇学校の「国統区」に於ける演劇活動を掘り起こしていく上で重要な「国立戯劇学校一覧」,「国立戯劇学校公演手冊」等の関係図書の複写、整理を行った。(2)〈「国統区」で活躍した演劇人余上沃、曹禺等に関する図書,関係文献の購入〉「国統区」の演劇活動を把握していく上で重要な演劇人に関する書籍、『余上沃研究専集』等を購入した。(3)〈「国統区」の演劇の諸状況を伝える関係資料の複写、購入。〉さらに京都大学、天理大学等の研究機関に赴き、抗戦期の演劇情況を伝える『戯劇時代』戯劇叢刊』等諸雑誌、〈中央日報〉等新聞の調査,収集を行った。 以上により、国統区に於ける演劇運動の全体像とまではいかないが、国立戯劇学校の重慶等「国統区」に於ける演劇上演の情況、及び「国統区」に於いて国立戯劇学校の果たした役割りの一端が明らかとなった。しかしそれでもまだ「一点」を明らかにしたという段階にすぎず、全体的にはまだまで不十分である。抗戦時期に関わる研究ということもあって、関係資料の少ない現状の中、資料の発掘、整理は本研究の重要な柱の一つとなるものであり、それだけに今後も継続して、積極的に資料の収集、発掘、整理をすすめていくことが必要である。すでに発表した論文は別の項にまとめたが、以上の資料の分析については何らかの形で公表を計っていきたい。
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