本研究で行ったことは次の通りである。一つ目は、これまで2年にわたって行ってきた河内地方のフィールドワークを継続した。具体的には、松原市、藤井寺市、羽曳野市、美原市の4市町6地点について、一地点につき、20、40、60才台の3世代男女6名づつ、計36名の方言面接調査を実施した。また、このデータを統計処理したり、言語地図化するためにコード化を行い、コンピュータに入力した。 二つ目には、近畿中央部においてアンケート形式の調査を行った。2世代男女各120名づつ計480名分を収集した。これまで4年間にわたって続けてきた調査を含め、計2000名分のデータについても、コード化、入力が完了した。現在、集計作業を進めている段階であるが、具体的な成果の公開は来年度になる予定である。 三つ目に、収集した音声資料については、データベース化すべく、今年度購入した音声ボードを使用してコンピュータに入力し、編集作業をおこなった。また、この段階でのノウハウを『パソコン国語国文学』(共著)の一つの章「音声情報データベース」として発表した。
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