1.研究成果 この研究では、韓国半導体産業における技術蓄積プロセスを分析することによって、一般的に後発国のキャッチアップと産業進化過程を明らかにしようと試みた。主な研究成果をまとめると次のようである。 第一に、韓国の半導体メーカーはライセンシングによる技術導入以外に、アメリカ現地法人での研究開発および技術情報の収集、在米韓国人研究者・技術者の獲得、OEM生産、資本財の輸入などさまざまなチャネルを通じて技術情報を獲得した。このような多様なチャネルを介した技術の獲得が韓国の半導体技術の吸収・改良と産業発展に大きな貢献を果たした。 第二に、韓国の半導体メーカーは、開発と量産をほぼ同時進行的に進めながら導入技術を消化・吸収した。具体的な方法としては、生産と研究開発部門のメンバーからなるプロジェクト・チームが構成され、それを通じて集団的に問題を解決していった。韓国企業はこのようなプロセスを通じて技術学習を速め、半導体技術を蓄積してきた。 2.今後の研究課題 今後の研究の展開における焦点は、後発国の技術蓄積プロセスに関する以上のような研究成果を踏まえ、それを産業発展の戦略と結び付けて理論構築をするところにある。
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