研究概要 |
有限アーベル群から単位元を除いた部分が1からtまでのt個のシフトとそれらの逆元の計2t個の元からなる部分集合にいつ分割できるかという問題をt=3.4のときに解決した。群の位数が素数べきの場合に帰着し、その素数の持つ数論的性質を用いて解を記述した。この問題がある種のコード理論に応用があることはLevenshtein-Vinckにより指摘されており、彼らはt=1,2のときの存在必要十分条件を得ていた。 有限体上のベクトル空間の部分空間の族からなるブロックデザインについては、わずかなことしかわかっていない。本研究では、2元体または3元体上の7次元空間の3次元部分空間の族をうまく選ぶことにより新しいブロックデザインを構成した。この例は、現在知られている有限体上のブロックデザインの中で最小の会合数を持つものになっている。また、有限体上の6次元空間の場合には、自己同型群が点上可移に作用するようなブロックデザインの存在には非常に強い制約があることを示した。
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