研究概要 |
関数体K上の四元数体の整環の性質から2次線束の性質を導いた。さらに2次線束の理論の一部をK上の巡回代数から構成される射影空間束(P^<n-1>-束)(n≧3)に拡張した。以下、X=SpecR、Rの商体をK、n次巡回R代数∧=(f,g) _<m,r>(f,gεR)、A=∧^<【cross product】>_RKの分解体をLとする。(1)∧^^mAの右半分不変部分空間Eは、A^<【cross product】>_KL【similar or equal】End(L^n)-加群として、E^<【cross product】>_KL【similar or equal】S^m (L^n)を示して、P^<n-1>_k-foumV_kP[E]内に作る。V_kの定義イデアルは、S^2Eのある左A-stable空間の元たちで生成される。(2)V_kは、A^n_k内の超曲面と同型なものを、開集合して含み、その定義イデアルは、行列式を使って書ける。よってV_kの関数体が具体的にわかる。(3)f,gεRの、X上の主因子(f),(g)の交わり方が、ある条件を満たせば、X上のP^<n-1>一束Vは非特異である。(4)n=2で、Vが非特異のてき、∧の判別因子△上の退化ファイバーは、3枚のF_1か、または、F_3の(-3)-曲線をeontractした有理曲面が三重に現れる。巡回代数∧から定義される△の3次被覆は、これら3枚のF_1に対応する。(5)巡回代数でない整環のときも、エタール被覆により、巡回代数によれば上記のことは成立すると思われる。(6)分岐が完全分岐でない場合、例えば、四元数体2つのテンソル積から作られるP^3_R一束の退化ファイバーについては、現在考察中である。
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