研究概要 |
1.ユークリッド“空間R^nからcompact多様体への調和写像が、もしS_Rn^<>|df|^n<∞をみたすならば定値写像になることを示した.S_Rn^<>^2<∞の場合はSealey(1982)が、S_Rn^<>|df|^p<∞(p<n)の場合は高桑(1988)がmonotonicity formulaを用いて証明していた.またdomain manifoldをユークリッド空間に共形的なもの(R^n,fg_0)で、Ricci曲率が非負で、Σ__2(∂f)/(∂x2)x2【greater than or equal】-(n-2)fをみたす場合にもこの定理が成り立つことを示した. 証明の方針はつぎのよう.調和写像についてのWeitzenbock公式から導きだされる不等式を改良した次の不等式(1994、岡安) Δ|df|^<1->1/(n-1)【greater than or equal】-c|df|^<3->1/(n-1)を用いて、これに板東-加須束-中島(1989)のapriori estimateを適用して|df|=O(γ^<-α>)(^αα<n-1)をえる。これとRicci曲率が非負よりballのvolumeが評価できるので S_Rn_<>|df|^2<∞となる.そこでSealeyの定理からf=constを得る. 2.同様の不等式は、ユークリッド空間の中の極小部分多様体についても成り立つ。M^nCR^<n+p>とするとΔ|A|^<1->2/n【greater than or equal】-C|A|^<3->2/nとなる(A:第2基本形式).1とおなじように|A|=O(γ^<-α>)(^αα<n).これから,Andersonによる全曲率有限な極小部分多様体のballのvolume評価(1984)とあわせて,S_M|A|^2<∞をうる。do-Carmo-Peng(1982)の結果を用いて次の定理を得る。 定理.M^nがR^<n+1>の完備、安定な極小部分多様体とし,S_M|A|^n<∞とする。するとMは超平面となる。これはBerardが1989年に証明した定理における次元の制限を取り除いたものである. 3.現在は,2で得られたΔ|A|^<1->2/n【greater than or equal】-C|A|^<3->2/nを用いて、Bernstein型の定理を研究している. 4.1,2の結果はpreprint“Harmonic maps from noncompact manifolds with nonnegative Ricci curvature and maxinal volume growth"として投稿中である。
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