研究概要 |
結び目の外部空間の位相幾向的性質がDehn手術後保たれていないとき、そのようなDehn手術を例外型Dehn手術と呼ぶ。Dehn手術に関する問題の多くは“例外型Dehn手術を記述せよ"というものになっている。本研究ではDehn手術後Seifert多様体が得られるような例外型Dehn手術について研究した。その結果は東京電機大学の宮崎氏との共著論文(Seifert fibred manifolds and Dehn surgery,プレプリント)にまとめられている。そこではsatellire結び目のDehn手術でSeifert多様体が生じる場合について調べ、手術係数およびsatellire結び目の結び目型についてのいくつかの結果が得られている。手術係数については整数でなければいけないことが示されているが、その個数については最良な評価が得られるよう現在も研究を継続中である。今後は、双曲的結び目についても、それ以上のDehn手術でSeifert多様体が生じるものについて研究を行なっていく予定である。 上記 Seifert多様体を生み出す例外型Dehn手術の研究の1つの応用として、最近のBoyer-Zhangの研究とあわせてMontesinos結び目,絡み目の結び目解消数,絡み目解消数について、有理タングルのbranchが4つ以上あれば、その結び目解消数,絡み目解消数が2以上となることを示した(Anote on unlinking numbers of Montesinos links,Rev.Mat.Univ.Complut.Madridから出版予定)。更に、この結果を一般のtwistという操作に拡張し、bridge数との関連についても、今後調べていく。 また、satellite結び目のアイソトピーのもとでの分類問題について神戸大学の河野氏と共同で研究を行い、Schubertの結び目の一意分解定理の一般化に成功した。それに関連して興味深い例がいくつか発見された。これらの結果についてOn satellite kuots,Math.Proc.Cambridge Phil.Soc.に出版されている。
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