1.平均曲率流方程式の研究 1次元全領域において、開き角を指定したときの曲率流方程式を論じた。既にK.EckerおよびG.Huiskenによる一般論において、解の存在また適当な条件のもとでの自己相似解への収束が調べられている。我々の問題に対しても、解の存在、自己相似解への収束に関しては、この一般論の適用が改善をもって可能である。我々の研究の新しさは、自己相似解の構造を決定したことにある。自己相似解とは、簡単にいえば、時間によって形を変えない解のことで、特異点発生の機構に関して重要な役割をはたす。近年の曲率流方程式の研究においても、しばしば課題になってきた。我々の問題においては、自己相似解は一意に決まり、豊かな構造を持っていることが示された。 2.消散型方程式の長時間後のふるまいの研究 引き続き、簡略化された磁気ベナ-ル問題を論じた。磁場を0に近付けたとき、そのアトラクタがローレンツアトラクタにハウスドルフ上半収束することを示した。数値計算の比較と鋭い対照をみせた。
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