研究計画中には2つの課題があった。1つは一般の半線型双曲型方程式に対するジブレイおよび解析的特異性相互作用の問題であり、もう1つは一般次元の非線型シュレ-ディンガー方程式に対して初期データがジブレイ指数2の関数であって遠方で減小しているならば、解は時間が経つと空間方向に解析的になるかどうかという問題である。 1つ目の問題に関しては、線形部分が波動作用素で非線形項は解と解の一回微分に関し解析的である場合に完全な結果を得た。非線形項がジブレイ級関数の場合は現在検討中であるが、ほぼ同様の方法で解決することができると見込まれる。今後の課題は、さらに一般の半線形双曲型方程式に対してはどうなるかというものである。別のアイデアが必要であろう。現在模索中である。 2つ目の問題に関しては、解決のめどがほぼ立ったところである。非線形項が一般のジブレイ級関数の場合の計算がほぼ終わっている。現在結果を論文にまとめる作業をしている。4月中には完成すると思われる。その中で新たな問題がでてきた。解が解析接続できる領域を調べるという問題である。現在、それを解くのに有望なアイデアが見つかったところであり、今後その方向で研究を進めていきたい。
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