研究課題/領域番号 |
06740150
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
國府 寛司 京都大学, 理学部, 講師 (50202057)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 力学系 / 分岐 / カオス / ホモクリニック軌道 / 特異性 / 余次元 / ベクトル場 / 計算機支援解析 |
研究概要 |
本研究では3次元ベクトル場におけるホモクリニック軌道の分岐によるカオスの出現の検証について以下のような成果を得た。 (1)余次元2のホモクリニック軌道からのカオスの発生の数学的証明:inclination-flip型ホモクリニック軌道については[Homburg-Kokubu-Krupa]の論文で解決され、orbit-flip型ホモクリニック軌道については現在準備中の論文で解決された。これらは共に余次元2のホモクリニック軌道に沿ったポアンカレ写像を構成し、それがSmaleの馬蹄型写像を含むことを示すことによって証明された。またこの結果の副産物として、ある種のベクトル場の退化特異点の開折に幾何的Lorenzアトラクタが存在することがinclination-flip型ホモクリニック軌道の解析によって証明できた。これは論文[Dumortier-Kokubu-Oka]にまとめられた。 (2)ホモクリニック軌道の分岐の計算機を用いた研究:小室、岡との共同研究で区分線型ベクトル場におけるorbit-flip型ホモクリニック軌道の大域的な分岐を計算機を用いて精密に解析した。これによりある条件の下ではorbit-flip型ホモクリニック軌道からは従来の研究によって知られていたものよりもはるかに複雑な分岐が見られることが示された。この結果は現在準備中の論文に発表される予定である。一方、3次元で余次元3の退化特異点の標準形を与える常微分方程式の族における分岐の解析も行った。特にAUTOと呼ばれる分岐解析のために開発されたプログラムを用いて、ホモクリニック軌道の存在する分岐曲線を2次元パラメータ平面内で追跡し、その大域的構造についての興味深い現象を発見した。これは今後の研究の重要な課題となるであろう。この研究は西山、岡との共同研究で現在論文を準備中である。
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