研究課題/領域番号 |
06740186
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
廿日出 勇 宮崎大学, 工学部, 助教授 (30221500)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 銀河団 / X線観測 / X線スペクトル / 重元素量 / cooling flow |
研究概要 |
「あすか」衛生に搭載されているX線望遠鏡のPoint Spread Function(PSF)は、現在も較正が行われている段階である。このため、詳細な銀河団の画像解析は行わず、PSFの不定性の影響をうけにくい低温度の銀河団と二重銀河団について、場所ごとのX線スペクトルの解析を行った。 1 低温度の銀河団 我々の近傍にある5つの銀河団(A496、A1795、A3112、A2063、MKW3s)について、中心部(半径2.5分角以内)と周辺部(半径2.5分角から10分角)のスペクトルを作成した。スペクトル解析の結果、次のことがわかった。(1)大きな cooling flow を持つ銀河団(A496、A1795、A3112)は中心部の温度が低い。これに対して、 cooling flow の小さな銀河団(A2063、MKW3s)は等温である。(2)A3112、A2063、A496では重元素が中心部に集中しているが、A1795、MKW3sでは重元素が一様に分布している。重元素の中心集中とcooling flowの大きさには相関が見られなかった。 2 二重銀河団 二重銀河団は銀河団の力学的な進化を研究する上で重要な天体であるが、これまでX線スペクトルの観測は行われていない。「あすか」でA1750とA2440の2つの二重銀河団を観測した。観測した銀河団は2つのピークを持つ構造をしており、それぞれのピークの温度、重元素量、赤方偏移を求めた。2つのピークの赤方偏移がほぼ等しいことから、2つのピーク構造が、2つの銀河団の見かけ上の重ね合わせではなく、1つの銀河団の2つのsubclusterであることが確かめられた。subclusterのX線光度と温度の関係は通常の銀河団とほぼ同じで、重元素の組成比も通常の銀河団と同程度であることがわかった。
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