研究概要 |
銀河形成論に基づいて銀河の光度分布関数(以下LFと略)を求め、これを銀河のN-m relationに適応した。 1.CDM model での luminosity function: CDM model での 初期宇宙における密度揺らぎ〈|δ_k|^2〉(Bardeen et al.,1986)を用いて、Press-Schechter の手法より bound object の質量分布関数(以下MFと略す)を求めた。銀河のLFを求める際の第一原理として、ここで得られたMFに cooling criterion を課た。更にこのMFより、mass to light ratio(〈M_*/L〉_B)を3として銀河のLFを求めた。ここで考慮した宇宙モデルは(Ω_0,λ)=(0.1,0),(0.1,0.9),(0.2,0),(0.2,0.8),(0.3,0),(0.3,0.7),(0.4,0),(0.4,0.6),(0.5,0),(0.5,0.5)および(1,0)である。ここで得られたLFは、上記の宇宙モデルに非常に強く依存していることがわかった。これは、密度揺らぎの成長が宇宙モデルに強く依存していることからきていると考えられる。更に、LFの観測データ(APM,CfA等)との比較から、Einstein-de Sitter modelの可能性は殆ど無いことがわかった。上記の宇宙モデルの中では、open modelではΩ_0=0.2,λ=0が、flat modelでは、Ω_0=0.3の場合が観測データと比較的よく一致することがわかった。また、今回の解析でもPress-Schechter理論でよく知られているfaint galaxyのexcessが見られた。 2.N-m.relation: 更に、上記の宇宙モデルに対して今回得られたLFを用いて、FL universeでの銀河のN-m relationをB-band及びK-bandについて求めた。N-mを計算する際に、K-correctionを考慮した。銀河のmorphological typeはE/SO,Sab,Sbc,Scd,Sdmを考えた。ここでは、それぞれのtypeのspectral energy distribution(SED)の進化は考慮していない。K-bandのN-m relationに関しても、low Ω_0が観測データ(Gardner et al.,1993等)をよく再現することがわかった。しかし、B-band N-m relationでは、今回得られたLFのevolution(clustering)だけではfaint partのexcessは説明することが難しいことがわかり、これによりSEDのevolution効果の必要性が示唆される。
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