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中間エネルギーにおける偏極重陽子反応測定のための新しい較正標準

研究課題

研究課題/領域番号 06740208
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
研究機関東京大学

研究代表者

岡村 弘之  東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助手 (10221144)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード偏極重陽子 / 中間エネルギー / 偏極度計 / 重陽子-陽子弾性散乱
研究概要

本研究の目的は、数100MeV程度の中間エネルギー領域での、重陽子偏極度の較正に関する標準的な方法を確立する事であった。今年度は偏極分析反応として重陽子-陽子弾性散乱に注目し、系統的な測定を行った。この反応は、散乱重陽子と反跳陽子の同時計数測定により耐バックグラウンド性を非常に高められること、エネルギー分解能はあまり必要なく、プラスチックーシンチレータを用いた簡単な検出器でコンパクトに作ることが出来、しかも高計数率で使用可能であること等から、中間エネルギー領域で特に有望と考えられた。先ず汎用の偏極度計を用いて、固定エネルギー(270MeV)における偏極分解能の全成分の角度分布の測定を行った。その結果、いずれの成分も適当な角度で0.5程度の値を持ち、しかも非常に緩やかな角度分布を示す事から、偏極分析反応として十分利用可能である事が確かめられた。さらに、質量中心系角度にして90゚付近でT_<20>と呼ばれるテンソル偏極分解能が0になる事が見い出され、偏極度計としてばかりでなく、ビーム強度モニターとしての利用も可能である事がわかった。
次に、測定角度固定の簡易型偏極度計を製作し、ビームライン上に複数台の偏極度計を設置して同時測定を行った。その目的の第一は、ビーム輸送系の電磁石中での歳差運動によるスピンの回転を詳細にモニターする事である。重陽子はテンソル偏極成分を持つため、スピン方向を一カ所の測定で決定するのは困難であるが、複数箇所で測定する事により精度を非常に高められる事が確かめられた。目的の第二は、偏極度計の間にエネルギー減衰板を配して同一ビームで測定する事により、重陽子-陽子弾性散乱の偏極分解能のエネルギー依存性を精度良く決定する事である。今回の測定では200MeVのデータが270MeVとの相対値として得られたが、今後、^<16>O(d,α)^<14>N_<[O-]>あるいは^<208>Pb(d,α)^<206>Tl_<[O-;gnd]>等の、偏極分解能が既知であるがエネルギーと共に測定が困難になる反応のデータと比較して、270MeVの絶対較正が行われる予定である。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Okamura,et al: "Tensor analyzing power the (d,^2He)reaction at 270 MeV." Physics Letters B. 345. 1-5 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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