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一次元有機金属錯体における光伝導性の制御

研究課題

研究課題/領域番号 06740240
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
研究機関東北大学

研究代表者

岡本 博  東北大学, 科学計測研究所, 講師 (40201991)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードハロゲン架橋金属錯体 / ソリトン / 光伝導 / 光誘起吸収
研究概要

擬一次元ハロゲン架橋金属錯体の中で,格子変形を起こさないNi錯体({Ni(chxn)_2Br}Br_2)について、良質な単結晶を作製し、光伝導度の温度変化および電場依存性を詳しく測定した.光伝導度は,電場にたいして線形な領域では,活性化エネルギー約0.1eVの熱活性化型で変化する.この結果を,光によって生成される格子緩和励起状態に固有の吸収(光誘起吸収)の温度変化と比較することによって,光キャリアが荷電ソリトンであり,それらが一次元鎖上をホッピング的に運動していることを明らかにした.また、100K以下の低温では、光キャリアの運動はホッピングからトンネリングに変化することがわかった.さらに、二分子的再結合モデルによって結果を定量的に解析することにより,ポーラロンおよび荷電ソリトンの生成効率を評価した.両者の生成効率は,励起エネルギーに依存する.ギャップ付近のエネルギーで励起した場合,キャリアは生成しないが,2eV付近より高エネルギー側で両者の生成効率は上昇する.このような励起エネルギー依存性は,この種の錯体に特有の大きな励起子効果(電子間相互作用)を起因している.以上のような光キャリアの挙動は、この種の一次元系ではじめて見いだされたものである.
ハロゲンをBroらC1に変化させた錯体({Ni(chxn)_2Cl}Cl_2)についても光伝導および光誘起吸収の測定を行ったところ同様な傾向を示す結果が得られた.C1錯体では、光伝導の活性化エネルギーがBr錯体に比べ約2倍程度に増加した.これは、C1錯体において電子格子相互作用が増加することに起因している.

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Okamoto et al.: "Photogeneration of Solitons and Polarons in MX chains" Molecular Crystals and Liguid Crystals. 256. 161-170 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] M.Yamashita,H.Okamoto et al.: "Control of Charge Instabilities in Quasi-One-Dimensional Halogen-Bridged Nickel Compounds" Molecular Crystals and Liguid Crystals. 256. 179-186 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] T.Sekikawa,H.Okamoto et al.: "Midgap State of the Quasi-One-Dimensional MottoHubbard System:Charge Transfer Complex composed of 1,6-pyrendiamine and tetracyanoguindimethane" Synthetic Metals. (発表予定). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] K.Inoe,H.Okamoto et al.: "Stuctural Control of Quasi-Qne-Dimensional Halogen-Bridged Nickel Complexes" Synthetic Metals. (発表予定). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2020-05-15  

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