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アンダーソン転移の統計力学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06740316
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 物性一般(含基礎論)
研究機関東京大学

研究代表者

河原林 透  東京大学, 物性研究所, 助手 (90251488)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードアンダーソン局在 / 相転移 / 二次元電子系 / ランダム磁場
研究概要

乱れた電子系におけるもっとも典型的な相転移であるアンダーソン転移の統計力学的性質についての研究を行った。特に、二次元ランダム磁場の系におけるアンダーソン転移の可能性について調べ、非局在状態の可能性が指摘された領域でのエネルギースペクトルの構造などについて調べた。
本研究では、シュレ-ディンガー方程式を数値的に解くことにより電子の拡散の様子を具体的に追い、波束の広がりや波動関数の初期状態との重なりの漸近的な振る舞いを調べることにより、エネルギースペクトルなどの構造を調べた。シュレ-ディンガー方程式を数値的に解く手法としては、最近開発された指数演算子の高次分解の方法を用いた。この方法は、ランダム磁場の様な複雑な系に対しても容易に応用でき、また、系の対称性を壊さないという利点を持っている。
このような方法により、一辺の長さが500サイト程度の系において数値計算を実行した。その結果、まず、エネルギーバンドの端の方では状態が局在していることが確認された。一方、バンド中心付近では、波束の広がりは非局在状態のように振る舞うが、初期状態との重なりからは、エネルギースペクトルにフラクタルな構造があることを示唆する結果が得られた。さらに、これらの結果からエネルギースペクトルのフラクタル次元などを見積った。こうしたことから、バンド中心付近の状態は、単なる非局在状態ではなく、特長的な長さのない臨界的な状態である可能性が強いことがわかった。(Phys.Rev.B印刷中)
こうした結果を踏まえ、二次元でもアンダーソン転移が確認されているスピン軌道相互作用のある場合について同様な解析を行い、両者を比べることにより、より詳しい解析を行うことが必要である。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tohru Kawarabayasi: "Diffusion of electron in random magnetic field" Physical Review B. 51. (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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