研究課題/領域番号 |
06740334
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山田 章一 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (80251403)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 超新星 / 重力崩壊 / 回転 / 非球対称 / 対流 |
研究概要 |
これまでに我々のグループは、高速自転する星で重力崩壊型超新星が起こった場合にどういったことが期待されるかを数値シミュレーションにより調べてきた。本研究では特に重力波、対流、非球対称ニュートリノ放出に注目した。まず、重力波について報告する。 自転超新星からの重力波は、近い将来稼働が期待される重力波観測器の標的として有望であると考えられてきた。これまで、そうした回転超新星からどういった重力波がどれくらい出るかという研究はいくつかあったが、それが観測されることによって、超新星爆発のメカニズムの解明にどういった意味を持つかということに関しては議論がなかった。我々は、系統的に回転の強さを変えて重力波を計算し、これまでの研究と比較することにより、次のような結果を得た。重力波の強さは、我々の銀河で超新星が起これば観測可能なものである。しかし、そのような重力波を出す超新星の回転の強さは、我々の昨年度の結果から、即時爆発は決して起こせないようなものである。従ってそうした重力波がもし発見されれば、超新星爆発は即時爆発ではないメカニズムによって起こったといえる。我々は次に述べる非球対称ニュートリノ放出による遅延爆発が有望と考えている。 我々は、即時爆発が失敗した後、内部コアから非球対称なニュートリノが放出された時どういったことが起こるか数値計算で調べた。すると、球対称の時より効率良く熱吸収が起こりジェット的な爆発が引き起こされることがわかった。これは、従来の遅延爆発の、エネルギーが足りないという欠点を克服すると同時に、超新星1987Aに見られるような非球対称性をも自然に説明できる利点を持っており非常に有望なメカニズムであると考える。 最後に、対流について報告する。近年遅延爆発のエネルギー不足という欠点を対流により克服するというメカニズムが注目を集めている。これまでは球対称爆発に摂動を加え対流を起こす計算が多数行なわれてきた。我々はこれを回転が入っている場合に拡張するべく、従来の計算プログラムを改良してきた。対流はエントロピーとレプトン数の不安定な分布により起こるためこれらを正確に計算できる必要がある。そこで、スウェスティーらの現実的な状態方程式をテーブル化して参照できるようにした他、ニュートリノの数密度を解く方程式を加え、電子捕獲反応を追えるようにもした。来年度はこれを用いて回転により対流の起こり方がどう変わるかを系統的に調べる予定である。
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