研究課題/領域番号 |
06740385
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 卓司 京都大学, 超高層電波研究センター, 助手 (40217857)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 中層大気 / レーダー / 大気温度 / 中間圏 / 流星レーダー / PMSE / VHFレーダー / 乱流 |
研究概要 |
本研究課題では、過去10年間に亘るMUレーダー中間圏観測データの大量のデータを、本センターの計算機ネットワーク上のハードディスクにデータベース化し、多年度に亘る観測データを短時間で効率的に解析することのできる解析環境を開発した。また、しばしば強い西風のためにレーダーエコーのスペクトルがエリアジングをおこして、解析に誤りを生じることを見出し、これを回避する解析法を開発した。これらをもとに、北半球中低緯度で初めて60-100kmの平均風の年周変化を明らかにし、これまでのモデルの問題点を指摘した。また、このデータベースを用いて中間圏乱流散乱エコーの高度季節変化を詳細に調べた結果、高緯度のPMSEに相当するような強い夏季エコーの存在は確認されず、中緯度域での中間圏界面の温度は、高緯度ほど低くならないことを示した。一方、中間圏界面温度の短期的な時間変動は、レーダーの流星散乱エコーの減衰時定数から温度を推定する方法を用いて調べられ、1日内での温度変化が50度前後に至ることを示す結果を得た。これを大気夜光のOH回転温度と比較観測することで、夜光観測の可能な夜間についてはほぼ流星飛跡からの温度とOH温度が一致することが示され、流星により昼夜連続した中間圏界面温度観測が可能であることを示した今後は、現在開発中のMUレーダーの付設電波干渉計の稼動により、流星飛跡の半定常的モニターで中間圏界面温度のより長期の監視が可能になる。 また、今後のMUレーダー観測の継続により、今回のデータ内では検出されなかった中間圏界面の温度の長期的変動が解明され、また短期的な変動と他の大気現象との関連が解明されるものと期待出来る。本研究では、このような将来的研究を可能にする中間圏界面の温度変動観測の基本的手法を確立することができた。
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