• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

介形虫種分化の具体的プロセスの地史的考察とその分子遺伝学的検証

研究課題

研究課題/領域番号 06740401
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 層位・古生物学
研究機関金沢大学

研究代表者

神谷 隆宏  金沢大学, 理学部, 助教授 (80194976)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード介形虫 / 種分化プロセス / 分子遺伝学 / 幼形成熟 / 飼育実験
研究概要

介形虫Loxoconcha uranouchiensis species groupの日本周辺海域での時空分布を調査し、また現生種の一部について分子遺伝学的検討を行い、浅海無脊椎動物の種分化プロセスモデルのひとつの妥当性を検討した。時空分布の調査を通して、以下のような筋書きを得た。まず本種が3タイプに分けられること、それらは小型で頑丈なprototype、大型で頑丈なlarge-type、小型で幼形成熟型のpaedomorphic-typeの3つであることを確認した。初産出は、下部更新世沖縄・仲尾次砂岩層のprototypeであり、同時代の本州周辺には本種は分布しない。20〜30万年前になり初めて本州を取り巻くようにprototypeが分布する。最終間氷期になり九州東部にlarge-typeが出現し、その後prototypeと入れ替わるように東進し、現在房総以西まで分布を伸ばした。一方日本海側から津軽海峡を経て房総以北に至る三陸海岸には20〜30万年前以降現在までprototypeが分布するが、それとともにpaedomorphic-typeがみられる。重要な点は、paedomorphic-typeがそれぞれの湾ごとにprototypeより分化しているらしいこと、分化のタイミングとして氷期・間氷期の海洋環境変遷が鍵をにぎっているらしいことである。これらの結論は、北海道忍路湾、岩手大槌湾、能登九十九湾、舞鶴湾、油壺湾、鳴門海峡、有明海の現生種の殻形態・生殖器の形態の詳細な比較に基づく。
油壺湾large-typeと能登九十九湾prototypeのミトコンドリアDNAチトクロームcの塩基配列の決定に成功したが、この配列442塩基対に関して両者に相違のないことが判明したため、さらに置換速度の大きな領域について比較検討を継続中である。
水温・脱皮ホルモンをコントロールして、室内実験により幼形成熟固体をつくりだそうとしたが、現在のところ体サイズの変異が表れたにとどまっている。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

URL: 

公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi