研究概要 |
1.新規な立体保護基の開発およびジチオキソホスホラン類の合成 本研究では、かさ高い立体保護基として、従来用いてきた2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル基に加えて、新たに、オルト位の一方あるいは両方の置換基をエチル基、プロピル基、イソブチル基等に変換した立体保護基を開発した。また、新規な安定化基として、前述の2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル基のオルト位の一方あるいは両方の置換基をメトキシ基、ジメチルアミノ基、ジメチルアミノメチル基、シアノメチル基、ニトロメチル基等に変換した置換基も開発した。さらに、これらの置換基を有するジチオキソホスソラン類の誘導を検討し、幾つかの安定化ジチオキソホスホランを合成した。 2.架橋したジフェニルメチレンを有するホスファルケン類の合成ならびに硫化反応 2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル基を立体保護基として用いて、架橋および非架橋ジフェニルメチレンを有するホスファルケン類を合成し、その硫化反応について検討した。また、ジホスフィニデンシクロブテン、ホスファブタトリエン、ホスファアルキン等、これまで硫化反応が検討されていなかった化合物についても硫黄との反応を検討した。なお、本研究において、ホスファアルケン P-スルフィドとチアホスフィランの間に光原子価異性化反応が存在することを初めて見い出した。 3.低配位状態のリン・硫黄結合を持つ化合物のケトンとの反応 以上のように、リンと硫黄の結合を有する特異な構造の化合物を種々合成することができたので、これらの化合物とベンゾフェノンとの反応について検討した。その結果、ホスファアルケン P-スルフィドやアミノ基を持つ安定化ジチオキソホスホランは硫化作用を示さなかったが、メトキシ基を持つジオキソホスホランは硫化剤として働くことがわかった。
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