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ハロゲンをドープされたフタロシアニンのバルク反強磁性

研究課題

研究課題/領域番号 06740532
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 機能・物性・材料
研究機関島根大学

研究代表者

廣光 一郎  島根大学, 理学部, 助教授 (40199138)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード有機磁性体 / フタロシアニン / 反強磁性 / EPR / 交換相互作用 / 乱れた糸
研究概要

最近我々が見いだしたドープ法を用いて,アルミニウムフタロシアニン(A1PcF)粉末にヨウ素あるいは臭素をドープし,その結晶構造をX線回折により,また磁性を電子常磁性共鳴(EPR)および磁化率測定により調べた。X線結晶構造解析により,A1PcF高分子軸は正方晶系のc軸に平行に走っており,軸方向のフタロシアニン環の配列には著しい乱れがあることがわかった。この乱れはフタロシアニン環の面間距離とI_3(あるいはBr_3)のI-I^-(あるいはBr-Br^-)原子間距離とが等しくないことによって起こると考えられる。EPR信号線巾の異方性から,この系の磁気的相互作用は3次元的であることが明らかになった。また,室温でのEPR信号強度から,スピンは局在していることがわかった。EPR信号強度は温度を下げるにつれて,150Kあたりから減少し,80K付近で消失する。同時に,線巾は80K付近で発散し,磁化率はこの温度でブロードなピークを持つ。これらの結果は,この系が80K付近で3次元的な反強磁性転移を起すことを示している。EPR信号強度および線巾の異常は,すでに薄膜で観測されているが,磁化率のピークの検出は,粉末を扱った本研究で初めて可能となったのであり,これにより,80Kでの磁気異常が反強磁性転移によることが確証された。この反強磁性発現には,結晶構造の乱れが重要な役割を果たしていると考えられる。すなわち,乱れがスピンを局在させ,この局在が反強磁性転移が起こるための必要条件となっていると考えられるのである。本研究は,この乱れと磁気転移との関係を初めて指摘するものとなった。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 廣光一郎: "Antiferromagnetism of a conductive polymer A1PcF-Br_×" Synthetic Metals. (未定). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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