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揮発性有機塩素化合物の光分解反応に関する速度論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06740533
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 機能・物性・材料
研究機関山口大学

研究代表者

山崎 鈴子  山口大学, 教養部, 講師 (80202240)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード光触媒 / トリクロロエチレン / 二酸化チタン / ゾル-ゲル法 / 非経験的分子軌道計算
研究概要

超純水製造装置の購入により、純度の高い多孔質な二酸化チタン(TiO_2)が合成でき、アメリカ滞在時のデータが再現できるようになった。得られたTiO_2を用いて、気相中におけるトリクロロエチレン(TCE)の光分解反応の実験を行った。生成する塩化水素の量を、滴定法で求めたところ、23℃においては、(生成する塩化水素の濃度)(分解したTCEの濃度)は約2となった。さらに、購入したイオンメーターを用いて、生成する塩化水素濃度を定量し、同じ結果を得た。これらの結果は、副生成物としてモノクロロ酢酸(MCAA)が生じているというFTIRによる実験結果と一致する。そこで、非経験的分子軌道計算(ab initio法)を用いて、TCEからMCAAへの生成反応機構を解明することを試みた。その結果、以下のことがわかった。(1)均一系気相反応においては、CHC1側(C(2))にOHラジカルの付加反応が起こる。他方、TCEのTiO_2への吸着が先行する不均一系気相反応の場合は、CCl_2側(C(1))へのOHの付加反応が起こる。(2)PM3法で、2つの炭素(C(1)、C(2))上の軌道係数を計算したところ、(1)の結果は、frontier軌道の考え方から説明できる。(3)C(1)へのOHラジカルの付加反応は、-41.0kcal/molの発熱過程である。これは、TCEが非常に速やかに触媒上で分解すること、および、TCE変換効率に温度依存性が見られない実験結果と一致する。(4)ラジカル中間体2から3への反応経路のうち最もエネルギー的に可能なのは、塩素ラジカルが脱離後、1,2-ジクロロエセノールが生成し、これがケト-エノール互変異性により、3に変換されるものである。この反応の活性化エネルギーは53.3kcal/molと高いが、水分子の存在により、21.5kcal/molも低下する。これらの結果は、すべに論文にまとめており、J.Phys.Chem.に投稿する予定である。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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