研究課題/領域番号 |
06740558
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宗林 由樹 京都大学, 化学研究所, 助手 (50197000)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 立体構造 / 有機配位子 / 分離機能 / ポリピラゾリルボレイト / 2族金属イオン / ランタノイドイオン |
研究概要 |
ポリピラゾリルボレイトの錯生成反応の研究を通して、配位子内立体反発、配位子間立体反発、および遮へい効果が、有機配位子の分離機能を制御する上で、有効に働くことを明らかにした。この結果は、従来考えられていたキレート環の大きさや、巨大環配位子における空孔径以外の立体構造因子が、金属に対して特異な選択性を持つ有機配位子の創製に利用できることを示した点で、分離化学において大きな意義を持つと考える。当初計画した、新規な選択性を持つ新しい有機配位子の設計、合成は、今後の課題として残された。具体的には以下の成果が得られた。 1 2族金属に対する新奇な選択性の創製 ポリピラゾリルボレイトは、置換基によって2族金属イオン選択性が全く異なることを見出した。例えば、テトラキスピラゾリルボレイトはCa^<2+>に比べてMg^<2+>に対して極めて高い選択性を示し、3,5-ジメチルトリスピラゾリルボレイトはMg^<2+>よりCa^<2+>に対して高い選択性を示した。従来、これらの選択性を自由に設計することは、非常に困難であった。選択性の原因となる配位子内立体反発、配位子間立体反発、および遮へい効果を、単結晶のX-線構造解析、分子力学計算に基づき明らかにした。 2 ランタノイドイオンの新たな抽出分離系の開発 ランタノイドイオンがポリピラゾリルボレイトとβ-ジケトンの混合配位子系で非極性有機溶媒中に抽出できることを見出した。さらに、配位子内立体反発により配位原子間距離の制限されたテトラキスピラゾリルボレイトと、配位子間立体反発の小さいβ-ジケトンとの組み合わせにより、ランタニドイオン相互の分離が向上することを示した。
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