研究課題/領域番号 |
06740581
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松田 裕之 九州大学, 理学部, 助教授 (70190478)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 理想自由分布 / 共進化的安定状態 / 群集構造 / 餌選択性 / 個体群動態 / 最尤法 / 生物拡散模型 / アワビ |
研究概要 |
空間的にすみわけている餌生物を捕食する捕食者の適応的な餌選択性が餌密度及び餌生物の防御力によりどう左右されるかを求める数理模型をラグランジュの未定乗数法を応用して構築し、捕食者の分布の定性的な性質(ニッチ重複の度合、ある餌を専門に食べるスペシャリストと多くの餌を利用するジェネラリストの進化の条件)を求めた。その際、餌密度と捕食者の密度に応じて捕食者の適応的な餌選択性が決まると言う分布の移動を考慮することで、結果的に理想自由分布に一致する分布を導くことに成功した。2種の捕食者と2種の餌生物からなるモデル群集において、天敵に特異的な防御を行なう餌生物の場合には捕食者のニッチ重複が大きくなることなどを導いた(発表論文3)。さらに、捕食者の餌選択性の時間(世代)変化を表わす動態模型を提案し、多種の捕食者と餌生物からなる系に応用した(論文投稿中)。 また、単純拡散模型と最尤法を応用して、人工放流個体群の移動率と死亡率を同時に推定する手法を開発し、岩手県のアワビの観測例では調査区域外に移動した個体がほとんどないことを導いた。(発表論文2) さらに、空間分布だけでなく、連続的な形質一般について適応度に密度依存性がある場合の形質値(分布)変化の動態模型を考案し、安定定常分布が実現する場合、絶滅するまで形質値が定常に達しない場合、形質分布が循環する場合があることを導いた(発表論文1、4、5)。
|