研究課題/領域番号 |
06740584
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
竹中 明夫 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 主任研究員 (00188202)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 樹木 / 形態形成 / 光環境 / シミュレーション / モデル / 森林 |
研究概要 |
当初の計画どおり、個々の枝の挙動に注目して樹形の形成過程を再現する計算機モデルの開発を行った。モデルは一本ずつのシュート(茎と、これに付着する葉)を単位とし、各シュートの生死および子シュートの発生を、そのシュートの光合成生産量に応じて順次決定していく。すなわち、生産量が多いほど多くの子シュートを発生するいっぽう、生産量が一定量以下になったら死亡する、とする。生産量はシュートのおかれた光環境に依存させる。光環境は、全天からの光についてシュート同士の庇陰関係をつい逐一計算して求めるものとした。 開発されたモデルでは、単独木の成長にともなう樹冠構造の時間変化の過程をシミュレートすることができる。被陰された枝の成長の抑制および枯死によって、樹冠内部では葉の分布がまばらになるなど、葉群の空間分布の時間変化が、現実の樹木とよく対応するかたちで再現できた。 また、本モデルでは多数の個体が隣接して成長する場合を取り扱うことが可能である。その場合、林冠木の下層の枝が枯れ落ちる現象、林縁の木で、林外方向の枝のみが旺盛に展開する現象などが再現できた。これらの樹冠の変化は、個体全体にとっては明るい環境に葉群を展開でき、生産性を高めるうえで有利であろうと考えられるが、このような個体レベルの現象が個々の枝の局所的な成長反応のみにもとづいて再現できたことはきわめて興味深い。 モデルの開発にあたっては補助金により購入した計算機周辺機器、消耗品類を使用した。また、実際の木の形態について予備的な計測を行うにあたり、補助金により購入した形態測定用機器を使用した。さらに、野外調査のために旅費を使用し、調査データの計算機入力等のために謝金を使用した。
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