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光第2高調波観測による真空蒸着膜の評価

研究課題

研究課題/領域番号 06750033
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 表面界面物性
研究機関宮城工業高等専門学校

研究代表者

熊谷 晃一  宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 助手 (00205163)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードSHG / thin film / Ag / metal / surface / film thickness
研究概要

(1)真空蒸着膜の作製
真空蒸着膜を作製するに当たり申請したメタル電離真空計を本機関現有の真空蒸着装置に組み付けを行し動作をチェックした。次に同時に申請したノートパソコンをRS-232Cインターフェースを経由して先のメタル電離真空計に接続して、真空度の自動計測と成膜時のデータの統合的な処理環境を構築した。本年度は蒸着物質に金属(Ag)を選択して、超音波洗浄したガラス基板(顕微鏡用のカバーグラス)上に抵抗加熱により種々の条件で薄膜を成長させた。この時、真空度を(A群)8×10^<-5>Torrと(B群)2×10^<-5>Torrに設定して膜厚25〜2000Åのサンプルを作製した。
(2)Ag薄膜からのSHG観測
(1)で述べたA群及びB群の種々の膜厚のAg薄膜についてSHG(Second Harmonic Generation)観測を行った。この結果(1)膜厚が25〜100Å程度まではA群、B群に属するAg薄膜共にほぼ同じ大きさのSHGが観測された。しかし、(2)100〜2000ÅのAg膜厚サンプルからはA群に属するサンプルからは膜厚の約2乗に比例するSHGが観測された。また(3)B群のサンプルからは膜厚の0.5乗に比例するSHGが観測された。金属薄膜からのSHGは、膜内では自由電子の寄与により反転対称性が保たれておりSHG禁制となる。しかし今回実験したAg薄膜からのSHGは表面だけでなくバルクからも発生していることが推察される。(1)の結果によりこの膜厚の範囲ではAgが島状に成長しているため膜全体で反転対称性が崩れて大きなSH光を発生したものと考えられる。(2)の結果より、A膜に属するAg膜からのSHGは膜厚の約2乗に比例していることから膜内で2次の非線形感受率の値が一定であことが分かる。すなわちA群の真空度では膜全体で反転対称性が崩れた薄膜が成長したものと考えられる。(3)の結果より、SHGの膜厚への依存性が(2)に比較して小さなことから表面から発生するSH光が支配的であると考えらる。
以上より、特定の膜厚の範囲でSHGは膜厚に依存すること、及び薄膜作製時の真空度によってもSHGに変化が現れることが分かった。こさにより作製した薄膜サンプルの成膜性をSHGデータ評価できたものと考えられる。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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